2023年12月20日、ダイハツの車の安全性に関する多くの不正が発覚しました。
古いものでは34年前の1989年から不正の記録が見つかり、国内のみならず国外へも日本の物づくりに対する不信感が沸き起こっています。
そこで本ブログでは
- どんな不正をしたのか?
- 社長のコメントは?
- 不正の原因は何なのか?
- ダイハツ車の出荷停止はいつまで?
- ダイハツ車に乗り続けても大丈夫?
- ユーザーへの補償は?
- ネットの反応は?
といった疑問への回答を調査してみました。
認証取得での不正発覚
2023年12月20日、ダイハツの製造する車両における国が付与する認証取得において不正が発覚しました。
その不正の数はなんと64車種174件!
車の販売には認証取得が必要
車が世の中に販売されるには、国が定めた安全基準を満たしているかクリアしなければなりません。
それが認証取得であり、ダイハツは認証試験において不正をおこなっていたのです。
では不正内容をいくつか見ていきましょう。
エアバッグ衝突実験での不正
車が衝撃を受けた際、センサーによってエアバッグが作動するかを確認します。
しかしダイハツはセンサーではなく、あらかじめタイマーをセットし試験結果を不正に操作。
ヘッドレスト衝撃実験での不正
頭部を守るヘッドレストの衝撃実験において助手席の結果を運転席の結果として記載。
この実験は車両衝突等の際に、ヘッドレストの衝撃の吸収する度合いを見るための試験です。
これらはほんの一部であり、さらにはタイヤの空気圧に嘘の記載や、前日のデータを持ち込んで改ざんするなど悪質な不正をおこなってきました。
社長のコメント
不正発覚の報道を受けてダイハツ工業の社長、奥平総一郎氏が会見を開きました。
会見では以下のようにコメントをしています。
認証を軽視していると指摘されても仕方がない不正が行われております。
その行為を生み出す環境を作った責任は経営陣にあります。
本人コメントより抜粋
さらにダイハツユーザーへのコメントが以下。
自分としては今まで通り安心して乗って頂ければと強く思っています。
盛大に不正をかましておいて、一体どんな神経をしていたらこんな発言ができるのでしょうか。
このコメントは社内での検証を行ったうえでの発言ですが、その社内検証に疑いの目を向けられていることに気づいていないのでしょうか。
ダイハツの信頼回復はだいぶ遠い先の話ですね。
現在国内外のダイハツのすべての車種が出荷停止となっています。
不正の原因は過密スケジュールとパワハラ
なぜここまで多くの不正をするに至ったのでしょうか。
その原因は過密な開発スケジュールと、声を上げづらいパワハラ環境にありました。
過密スケジュール
ダイハツへの不正調査に入った第三者委員会の、社員への聞き取り調査において頻繁に出てきたのは
- 時間的に余裕がない
- 開発スケジュールが過度にタイトになる傾向
というワードでした。
社員への調査を行った記者のコメントがこちら。
「報告書でも指摘されているように、窮屈な開発日程を死守することが求められる中、デザインや設計変更などがあれば、結果的には最後の工程である認証試験にしわ寄せがくる。また、失敗してやり直すことが想定されていないスケジュールだったため、認証試験の担当者が“絶対合格”の極度のプレッシャーに晒されていたとのことです」
Yahooニュースより抜粋
さらに経営陣はこの状況を改善しようともせず短納期での開発を推進していき、結果不正へとつながりました。
過密スケジュールの原因は過去の成功体験
ここまで過密スケジュールを推し進めるに至ったのは、ある成功体験が元となっています。
2011年に発売されたミライースの開発において短納期での開発・販売に成功。
これに味を占めた経営陣は、その後も同じように短納期での開発を現場に求めるようになります。
しかし現場の負担は増していったのか、2014年以降に不正が急増することとなりました。
上司からのパワハラ
開発を進める社員たちの更なる障害となったのは、本来味方であるはずの上司でした。
開発スケジュールの見直しや問題点の報告、人員の補充要請を進言することでなんとか進めようとします。
しかし管理職からは「なぜ失敗したのか」「間に合うのか」「どうするんだ」といった現場任せの発言でした。
調査委員会が行った社員へのアンケートでは開発の際の不満が続出しました。
- 「できない」をアピールすると、それを言った特定の人だけが、別途報告必要など別に工数がかかる
- できないと声を上げるとなぜできないのか、できるようにするにはどうするのかと逆に仕事量が増える為に、声を上げないことや、諦め感がなどが出てきている
- 不正行為の根本的な問題は、開発失敗・ミスを叱責する風土だと考える。直接的に日程を守りたかったから不正行為をしたわけではなく、日程を守れなかったときの叱責されることを避けたかったのでは?問題を起こした部署や担当者が会議で吊し上げられたり、必要以上の叱責を受けることがある
これらの回答を見るとさすがに開発現場の方々がかわいそうに思えてきます。
不正・改ざんという禁じ手を行ったのは事実ですが、不正をさせたのは経営陣を始め、管理職のパワハラ体質と言えるのではないでしょうか。
出荷停止の解除時期は未定
現状ダイハツ車の出荷停止解除の時期は不明です。
詳細が判明次第追記させていただきます。
納車直前の方はキャンセルも購入も可能
現状ダイハツ車を注文していてまもなく納車というタイミングの方は購入もキャンセルもどちらも可能となります。
車は製造の段階で車体番号という個別の番号が付与されます。
納車直前であれば車体番号が付くため、契約通り購入が可能です。
注文したばかりの方は購入不可の可能性
逆に注文して間もない方の場合車体番号が付与される前ならば、保留や返金の案内が届くと思われます。
契約した担当者へ確認を取ってみることをお勧めします。
ダイハツ車に乗り続けても問題ない
結論から言うと現在ダイハツ車、トヨタOEM車に乗っている方たちは乗り続けても問題ないそうです。
会見におけるダイハツ奥平社長とトヨタ中嶋副社長のコメントは以下の通り。
奥平総一郎社長コメント
いまダイハツ車へお乗りの皆さまへお伝えしたいのは、調査の最終段階でキャストの側面衝突試験における「乗員救出性に関する安全性能(ドアロック解除)」が法規に適合していない可能性が判明いたしました。現時点で本件に関係する事故情報は把握しておりませんが、引き続き、徹底した技術検証と原因究明を行っており、速やかに必要な対応を実施してまいります。
それ以外の、今回公表された事案に関しましては、すべて法規に定められた性能基準内に収まっていることを確認しております。そのことは、この会場へ来る直前までずっと確認してまいりました。
ベストカーWEBより抜粋
キャストの衝突時ドアロック解除問題除いては現状走行に問題は無いというのが公式回答となっています。
トヨタ自動車中嶋裕樹副社長
「横から失礼いたします。本件に関しましては、トヨタ自動車としても、いまお乗りのユーザーの皆さまに、今後も安心してお乗りいただくことを最優先に考えております。今回発覚した174個の不正行為について、実際にお使いいただく際に不具合が出ないかをトヨタもしっかり入って調査してまいりました。その点については安心してお乗りいただき、この先さらに何かわかりましたら、すぐにお知らせいたします。」
ベストカーWEBより抜粋
とは言え自分の車に不正があったと分かれば心配になるのは当然の事。
現在国土交通省はダイハツへの立ち入り調査を行っています。
徹底的に膿を出し切り社内改善が成され、補償がされるまでは安心できませんね。
ユーザーへの補償
現状ダイハツ車およびトヨタOEM車ユーザーへの補償やリコールの知らせなどは一切不明です。
情報が入り次第追記させていただきます。
世間の反応
今回の不正報道に関するSNS上のコメントをまとめてみました。
自身の車の不正に嘆く方や同業者として現場の人たちを哀れむ方など様々です。
ビッグモーターにダイハツと今年は車に関する話題がネタが尽きませんね。
まとめ
今回はダイハツの認証試験不正問題についてまとめてみました。
- 1989年より認証試験において不正があった
- 64車種174件の不正
- 現在は全車種出荷停止
- 不正に至る原因は過密スケジュールとパワハラ気質
- ダイハツ奥平社長によれば乗り続けても大丈夫
- 補償などは現状不明
私自身もダイハツユーザーであるため本件はとても気になる事件のため、今後も詳細が判明次第追記させていただきます。
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